日の名残り(カズオ・イシグロ)

以前読んだ「わたしを離さないで」がとても良かったので、イギリスの文学賞であるブッカー賞を受賞したという本作も気になり、読んでみた。

イギリスの執事が自分の半生を振り返り、誇りを持ちつつ自己肯定する話なのだが、そこに個人の葛藤や決意や意志みたいなものが感じられて「味わい深い」とでもいうのだろうか。立ち振舞いが穏やかで品格のある執事と、その心の中の揺れ動きの対比が面白い。

あと、ジョークを真剣に学ぼうとする滑稽さには思わず笑ってしまった。

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