知らなきゃ損する農家の相続税
オススメ度:★
納税猶予や生産緑地制度を知りたくて読んでみた。
農家にフォーカスした本ではあったが、相続に関する基本的な事項から網羅的に丁寧に説明されており、農家でなくても十分参考になる内容だった。相続税の計算方法や節税方法が具体的な金額とともに記載されている。法人化による節税メリットや実際に相続税を申告する際の手続きが時系列に沿って記載されているのも大変わかりやすい。生産緑地についてはあまり記載がないが、納税猶予については詳しく書いてある。
結局すぐにできることはなさそうだが、引き続き相続について知識を蓄えて将来に備えよう。
以下メモ:
- 小規模宅地の特例
- 特定事業用宅地(80%減)や貸付事業用宅地(50%減)は、被相続人と同一生計の親族が使っている土地でもよい
- 農地の倍率
- 1〜3月に亡くなった場合、7月に倍率が発表されるまで相続税の計算を待つ必要がある
- 役場にもらう固定資産税の評価証明書は4月以降にもらう
- 固定資産税の評価証明書は2通もらう(登記用、税務署用)
- 税務署での雑種地の評価は近傍類似評価(付近の地目の評価額を使う)
- 貸家建付地
- 土地も建物も自分のもので、他人に貸している場合
- 評価額から借地権×借家権だけ引ける
- 駐車場付きの場合、その土地も減額できる
- ビニールハウス
- 土台付きは固定資産
- 土台なしは償却資産(減価償却後の価格)
- 生命保険
- 500万×法定相続人だけ非課税
- 保険料分だけキャッシュが減るので節税
- 相続対策からは終身保険が良いらしいが、保険料が上回るリスクあるのでは?
- 生命保険は現金でもらえるため、土地を売ったりして相続税を工面する必要がなくなる。土地を売ると譲渡所得税もかかり二重に課税されるため。
- 相続の大半が土地や家の場合、相続税分ぐらいの生命保険に入ったほうが良い、とのことだが保険料を払う現金があるのなら、それを置いておけばよいのでは?保険料の方が安い想定か?であれば保険会社が成り立たない気がするが。
- 贈与税
- 土地は家族全員で共有する形で分割贈与すれば、贈与税が大幅に減る
- 贈与先は法定相続人には限られず、孫は贈与されたことが分かる年齢ならOK
- 毎年決まった額を贈与すると一括贈与とみなされるため、タイミングや額を変える
- 法人化による節税
- 出資金を家族に分散することで財産を分散できる
- 出資金の払込を各人の口座から振り込んでおかないと、いくら名簿に記載していてもダメ。全額振込人の名義株になってしまう。
- 法人が耕作する土地は納税猶予受けられない
- 農業法人より合同会社の方が良い(農業以外もできる、給与所得控除を受けられる)
- 納税猶予
- 農業委員の厳しい審査(現地検証)を経て印鑑をもらう必要がある
- 場所によって異なる農業投資価格で評価額を計算する
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