邪魔(奥田英朗)

空中ブランコを読んで以来、奥田英朗の小説に興味が出てきた。これまでの作品をざっと見てみて、大藪春彦賞を受賞しているという理由で本作を読んでみた。ちなみに大藪春彦賞というのは初めて聞いたが、まぁ賞を取るぐらいだからおもしろいのだろう、という程度の動機だった。

久しぶりのミステリー小説で、読み始めはなんとなく文字を追っている感じだったが、徐々に明らかになる事件の真相と人間模様の展開にページをめくる速度がどんどん速くなっていった。平凡な主婦恭子が平凡な人生が壊れそうになるのを必死に守ろうとし、自分を守るために市民運動にハマっていくあたり、恭子の心境とシンクロして妙な爽快感があった。

ただ他の作品でもそうだが、女性の登場人物の描き方が男性視点から見た女性のイメージなんじゃないか?となんか気になってしまった。どうでもいい話だが。

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